やりたいことを実現しながら、
経営者として必要なすべての力を身につけられる
「杉玉」入社後はどんな状況でしたか?
山野:入社後に配属された「杉玉 京阪守口市駅」では特に大きなギャップを感じることもなく、培ってきた調理技術を存分に発揮できました。私の経歴を踏まえてとにかく色々と任せてもらえたので、メニューの写真では平たく盛られているお刺身などはもっと美味しく見えるように高く盛りつけをするなど、様々なチャレンジをしてみました。また、前職では生の魚しか使っていませんでしたが冷凍の魚の美味しさに気づかされたり、お客さまとの距離の近さに嬉しい驚きを感じたり、ポジティブな発見が数多くありましたね。
その後、ほどなくして店長に?
山野:そうですね。今勤めている「杉玉 茨木」に異動して、店長昇進の打診を受けました。もちろんうれしかったですが、店舗運営について何の知識もありませんから実際に店長になる2か月前から売上や仕入れ、人件費の管理をはじめとした店長業務を一から覚えていきました。でも、用語からして分からないんですよね。例えば、「EBITDA(営業利益+減価償却費)」なんて聞いたことすらなかったですから(笑)。分からないことはすべて課長や前店長に都度聞きましたが、とても丁寧に教えてくださいました。仕事が終わってから付き合っていただいたこともありましたね。そのおかげで何とか最低限の知識を身につけて店長としてスタートを切ることができたんです。本当に感謝しています。
いま、店長として心がけていることは?
山野:アルバイトスタッフさんが働きやすい環境を作ることです。スタッフさんがモチベーション高く、楽しく働ける環境を作ればシフトに入ってくれる回数も増えて店舗運営もスムーズになりますし、その結果として売上アップにもつながっていきますから。特別変わったことはしていませんがスタッフさんとは、小まめにコミュニケーションをとることを心がけています。そうするようになったのも、他の店長や課長がスタッフさんと関わる姿を見たことが大きいですね。さりげなく褒めてやる気を引き出すなど、盛り上げ方がとても上手くて、お店にすごく活気が生まれるんです。それを目の当たりにしたことをきっかけに、コミュニケーションの取り方を変えていきました。前職時代は仕事中におしゃべりするなんて考えられなかったですから、昔の私を知っている人はきっと驚くはずです(笑)。
コミュニケーションの取り方を変えたことで、何か変化は生じましたか?
山野:その成果とは言い切れませんが、「僕、社員になりたいんです!」と言ってくれるスタッフさんが現れたんです。彼は調理技術についても積極的に質問してきてくれる子で、教えられることはすべて教えました。その後、杉玉に入社をして今は尼崎の店舗で頑張っています。時々連絡を取り合っていますが、スタッフから社員へ立場が変わったことで悪戦苦闘しているようです。でも、彼の成長を心から楽しみにしていますし、いつか同じフィールドで働きたいですね。
山野さんを駆り立てるモチベーションは何ですか?
山野:同期や他店舗の店長の存在です。定期的に行われる店長会議では他店の店長として頑張っている同期にどういった店舗運営をしているか質問したり、情報交換をしたり、とてもいい関係が築けていると思います。私のような和食経験者もいれば、大手居酒屋チェーンのエリアマネージャー、寿司職人、ホテルの洋食部門でシェフを務めた方など多様なキャリアの持ち主が集っていて、各々がお互いのバックボーンに敬意を払いながら認め合っているんですよね。彼らから刺激を受けるだけでなく、「負けていられない」という気持ちも湧いてきて、もっと頑張らなきゃと思えます。
「杉玉」のいいところ、好きなところは?
山野:やりたいことが存分にできるところです。杉玉にはマニュアルではなく【教科書】があります。マニュアルは及第点をとるためのもの、教科書は「自分で書き加えて学べる」という意味を込めており、100点以上を目指すためと教わりました。ルールや型はあるのですが、その中で「お客さまが喜んでくれること」は自由に提案・実行できます。例えば、さっきお話したように盛り付けを工夫したり、営業時間の変更を提案したり。提供時の商品説明ではオススメポイントは伝えていますが、実際のお声がけはスタッフさんに任せています。そのため、お客さまだけでなく自身もスタッフさんも楽しんで接客ができていると感じます。チェーン店ではありますが、お客さまに喜んでいただくことを第一に柔軟な仕事ができる喜びは何物にも代えがたいですね。